「もっとも遅れてきた先進国」の雇用構造

2012.01.29

ドイツとの比較でいえば、日本は、特徴を持っている。日本は戦後発展をする前に、ドイツよりもはるかに膨大な伝統的セクターをかかえていた。高度成長のもとで、日本においてもドイツのように、近代的セクターが伝統的セクターをかなり吸収した。しかし伝統的セクターがあまりにも膨大であったために、近代的セクターは伝統的セクターを解体することができなかった。また、ドイツと異なって日本では、自営業として独立開業しようとする志向が衰えなかった。

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それは、都市の自営業が高度成長期に増大したことにあらわれている。その結果、高度成長が終わった後においても、日本はなお厚い層の伝統的セクターを保持していたのである。日本は「もっとも遅れてきた先進国」である。「もっとも遅れてきた」という歴史的特質のため分厚い伝統的セクターをかかえながら成長をし、先進国になった。日本は、全体として生活水準は高度化しながら、なお経済社会内部に「二重構造」をかかえている。「全部雇用」は「もっとも遅れてきた先進国」の雇用構造であった。