栄養補助食品の原料の価格

2011.06.23

栄養補助食品の原料の価格を、日本人成人の所要量から比較すると、天然と合成の差はますます開いていきます。以前、私どもの研究所で行った比較実験の結果をもとに分析してみましょう。たとえば、天然の原材料のなかで、最も多くビタミンCを含む果実の一つとされている刺梨を使った場合、50g当たりの値段は4.333円ですが、ブドウ糖から種々の反応を経てL−アスコルビン酸として大量に作られる、ごく一般的な合成ビタミンCでは0.095円。その差はなんと45分の1です。ところが、これらが市場では同じような価格で売られているのです。女性に不足しがちな鉄分のサプリメントでは、市販の多くがピロリン酸第二鉄です。これは主に乾燥剤として利用される無水リン酸を変化させたものと鉄を結合させて作ります。また、鉄くずを利用し、硫酸と反応させる硫酸第一鉄が使われることもあります。この場合、動物の血中ヘモグロビンからちゃんと作った天然ヘム鉄との10g当たりの価格差は実に100倍近くにもなります。合成に使用されるピロリン酸第二鉄と天然のヘム鉄は、鉄がイオンになる際に電子を分離する数がまったく異なるので、実験すればすぐに見分けがつきます。第一、体内に入ったときの吸収の仕方がまるで違うのです。非ヘム鉄、つまり化学薬品由来の化合物(硫酸第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、フマル酸第一鉄など)は、人間の体内にある鉄の形とは異質のため、摂取すれば悪心や胸やけなどの副作用を引き起こす恐れがあるのです。