季節や自然をテーマとする演出

2011.06.23

季節や自然をテーマとする演出を求められた「GINZAMST」では、水紋状のCG映像などを加工して複数のシーンをつくった。東京・表参道の「Ao〈アオ〉」では、特異な形状の建物を、パソコン画面上で2次元の展開図にして作業した。最終的には現場での調整が不可欠だ。街路灯などの影響を見ながら色を再調整し、絵柄の配置や変化のスピードを変え、個々の空間に適した光のシーンをつくり出す。ときに大胆に、ときに繊細に、照らす対象に合わせて色を使いこなす建築と一体化したライティングだけでなく、微細な光のコントロールが決め手となる自然庭園などの景観照明も、デジタルカラーライティングの得意分野だ。「緑や花など自然の色は太陽光のもとで十分に美しい。夜になって景観に人工の光をもち込む際には、そうした自然の色を引き立てる色づかいを心がけています」と、シニア・デザイナーは話す。「六義園」のライトアップでは、紅葉したモミジに白い光をわずかにあてただけで葉が発光したかのように見せた。この場合は色をつけるよりも、温かみのある白色LEDの光が合う。一方、「染井霊園」のソメイヨシノのライトアップでは、桜の花弁にうっすらとピンクの光をかけた。樹木の近くにある水銀灯の影響で夜になると緑っぽく見えていた花弁を、誰もが思う桜らしい色に見せるためだ。思い切った色づかいをする場面もある。その空間にかかわりのある色からあえて目を引く色を選び、来場者を異空間へと誘う演出だ。