ほとんど準備らしいことをせずに、試験とそのあとの抽選をくぐり抜けて学芸大学附属世田谷小学校に入ったある女の子の母親は、「低学年の間は学校が楽しくてルンルンと通っていたのに、高学年になったとたんに『もしかしたら中学に行けないかもしれない。高校では確実に受験せねばならない』という現実が目の前に迫ってきて、あれほどいやだと思っていた塾に通わせているわ。だってウチの子、学習の蓄積がないんだもの。勉強する習慣もついていなければ、やる気もない子なの。国立に向かなかったのかもしれない」と嘆いていた。学芸大学附属世田谷小は、成績が下のほうの一、二割は附属中学に進学できず、公立に行かざるをえない。小学校から高校まで順調に残る子どもは、学年によって二割程度という年もあるという。同じ学芸大学附属小学校でも、小金井ではほとんどの子どもが中学受験をするし、大泉では四分の一が附属中学に進学できない。自主的に勉強し、好奇心旺盛で知識を蓄える子どもでなければ、国立小学校はなかなか厳しいものがあるのではないか。「もし本気である程度の大学に入れようと思っているならば、中学からがんばらせていたのでは遅すぎる」というのが、国立小学校に通わせている親たちの一致した意見だった。
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