ちょっと疑ってかかるぐらいの気合いが必要

2011.06.06

私はときどき、そんな現場に直面することがあります。ショッピングの最中はコーディネート刑事であることは隠していますから、店員さんも私の正体は知りません(笑)。試着した私、「どうかしら、思ったよりしっくりこないわ」店員さん、「いえ、お似合いですよ。それにこれは最後の1着なんです」ああ、もしこのとき刑事手帳を持っていたら、すかさずこの店員さんを逮捕するのに!私は「アナタ、本当にプロなの?サイズがビミョーに大きいし、胸元もフィットしていないじゃないの!最後の1着だろうがなんだろうが、私は似合ってないと思うのよ」という言葉を、ちょっとこわばった笑顔の下で飲み込み、「やっぱり今度にするわ」とニッコリして、試着室に戻りました。私がファッションのプロだから、そんな判断ができるのだと思ったら大間違いです。みなさんだって、集中してじっくり吟味すれば、自分のことなのですから、しっかり判断できるはずです。自分で判断するぞ、という意気込みがないと、店員さんの「お似合いです」攻撃にやられてしまうんです。というわけで、私が「プロだなあ」と感心する店員さんとは、お客さん自身も気づかないようなハッとする視点でさりげなくアドバイスしてくれる人。パンツ丈が長ければ、すぐにすそをつまむのではなく、まずはウェストやヒップをチェックして、全体のサイズ感を確認してくれたら、かなりのやり手。丈だけの問題じゃないと気づかせてくれた彼女に一票。黒いタートルニットを今ひとつだなと思っているときに、同じ黒でもVネックニットを持ち出して、「こちらもお試しください」と選択の幅を広げてくれる人。彼女にも一票。そんな人となら、いい関係を培っていきたいもの。ですから、店員さんを信用するなとは言いません。でも、最初の「お似合いです」は、ちょっと疑ってかかるぐらいの気合いが、お買い物には必要なんです。