野村興産イトムカ鉱業所でしか実施していないリサイクルがある。リチウム電池だ。リチウムとは原子番号三のアルカリ族に属するマグネシウムに似た銀白色で、柔らかく地球上で最も軽い金属である。一九九一年の生産量は世界全体でわずか五四〇〇トンにすぎない希少金属である。水と反応しやすく、水素を発生させて容易に水酸化リチウムとなる。以前はガラス細工や花火に使われる特殊な金属だったが、一九七二年以降乾電池に利用されるようになった。ほかのどの電池より高出力であるうえ長持ちするからである。われわれが一般的に購入するリチウム電池は円筒状で、上から見ると楕円形になっているのですぐに見分けることができる。これを最も大量に使用するのは軍隊だろう。戦地では電源の確保が困難なため電池の携行を必要とするが、高出力のリチウム電池はこうした目的に最も適しているのである。この電池の弱点は処理が困難なことである。