長い間美容外科をやっていて思ったこと

2011.07.22

長い間美容外科をやっているといろいろのクリニックでさまざまのトラブルを起こした患者さんが来院されます。このようなトラブルを見ていると、日本の美容外科医の技術水準にあまりのバラツキがある現実に暗い気持ちになってしまいます。ときにはまれに起こりうる合併症と考えられるケースもあるのですが、最初からとんでもないところを切開していたり、手術テクニックもこれはひどすぎると思うようなこともあるのです。このようなところがまたテレビや週刊誌などで華々しい宣伝をやっているのには本当にどうしたらいいのだろうと頭を抱えてしまいます。フェイスリフトの場合は耳たぶが引っ張られて耳の形が変わってしまったというトラブルをときにみかけます。これは基本的に耳たぶに皮膚を引き上げる力はないということをその医師が理解していないから起こるトラブルです。耳の後の軟骨や耳の前の皮膚に糸をかけて、ここでほほの皮膚を引き上げるように仮縫合をします。その後で耳たぶには全く引っ張る力が加わらないように皮膚の切除範囲を決めて切り取るようにします。このようにすれば耳の形は変わることはありません。残念ながらこのような基本的なことがわかっていない美容外科医も多く、耳の変形はよくあるトラブルです。わずかの変形であれば同じキズを使ってもう一度部分的なフェイスリフトを繰り返すことにより修整ができますが、変形が高度になると耳たぶから下に垂直に1センチ位の切開を入れないと形を戻すことはできません。