人材派遣会社と並ぶ人材ビジネス

2011.07.28

人材派遣会社と並ぶ人材ビジネスに、「職業紹介」がある。職業紹介は求人企業が求める人材を当該求人企業に紹介・斡旋することを業として行なう事業である。だから、職業紹介の収益金とは斡旋手数料ということになる。求職者と紹介先(斡旋先)の関係が、雇用関係となるのはいうまでもない。この職業紹介事業は国営の公共職業安定所(ハローワーク)が独占してきたが、民間への開放も、職安機能を補完する形で部分的・例外的に認められてきた。対象となる職種は、看護婦・家政婦紹介、配ぜん人紹介、マネキン紹介、経営科学者紹介、芸能人紹介など29職種であったが、1999年の規制緩和によって紹介職種や紹介料金などが原則自由化された。そうした影響で、最近では事務的職業や販売・営業的職業、技術的職業、管理的職業などのいわゆるホワイトカラーの紹介事業が注目を集めている。紹介料金については事前届出制を採用し、その範囲内で取引が行なわれているが、現在の取引状況は紹介先に紹介された人材の年収額の約25〜30%で推移している。紹介料には法定紹介手数料、コンサルディック料などが含まれる。また、紹介の形態も、伝統的な斡旋のほかにスカウトやヘッドハンティングなど(これらをサーチ型紹介という)があるほか、最近ではリストラされた中高年の再就職支援事業も含まれる。紹介事業の最大手はリクルートエージェントであり、主として若年層の紹介に力を入れている。そのほか、インテリジェンス、パソナ、キャプラン、ケンブリッジリサーチ、ブライトキャリアなども活躍している。また、ヘッドハンティングのようなサーチ型紹介では東京エグゼクティブーリサーチなどがあり、再就職支援事業では日本DBMなどが知られている。バブル崩壊後には、一般的な職業紹介事業が苦戦する一方で、再就職支援の紹介事業は大いに業績を伸ばした。最近では日本経済の景気拡大によって、逆に一般的な職業紹介事業は取扱高を伸ばす反面、再就職支援事業の伸長は時を過ぎた感がある。このように、職業紹介事業は公共職業安定所が持つ紹介機能の民間版であり、人材派遣業とはかなり異なる。派遣も紹介もそれぞれ厚生労働大臣の許可が必要である点は共通しているが、規制する法律が異なる。人材派遣は労働者派遣法で、職業紹介は有料職業紹介として職業安定法によって規制されている。しかし、最近の規制緩和によって、人材派遣業と職業紹介事業の法的な垣根が低くなり、双方が相乗りして事業化する傾向が高くなっている。